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日本の心研究所 定食ライブラリー

日本の食文化アーカイブ 定食ライブラリー

こゝろとからだを満たす食事

定食

日本の飲食店には、「とんかつ定食」のように主役となるおかずの名前に「定食」を冠したメニューを目にする機会がよくあります。この定食とは、お米を炊いた「ごはん」、みそ汁などの「汁物」、香の物ともいわれる「漬け物」に、肉や魚、野菜などによる「おかず」を基本とする、日本で日常的に食べられている定番の食事スタイルです。

定食の名前ではおかずに目が行きますが、実は中心にあるのはごはんなのです。昔から日本人の日常食として食べられているごはんは、どんなおかずにも合う特別な食材です。定食では、ごはんを取り囲むように置かれた料理は、ごはんと一緒に食べておいしいように組み合わされています。定食の中心にこのごはんという存在があるからこそ、どんなおかずでも整う定食ができあがるのです。

定食の方程式

また定食には、全てのお皿が同時に食卓に並ぶという特長があります。一見すると不可解な提供方法に見えるかもしれませんが、これも日本の食文化のひとつです。
日本の日常に深く根ざしている定食は、健康的な栄養バランス、五感で食を楽しませる美的センス、食に対する高い精神性など、様々な特徴を持っています。多くの日本人に愛されている定食は、身体と心を同時に充足させる食事であるとともに、日本の食文化の変遷とも大きく関わっています。

世界で注目されている日本食の魅力がふんだんに詰まった定食。
ここ「定食ライブラリー」では、その魅力をさらに掘り下げてみましょう。

定食の中心はごはん

PFCバランスとは

食事で摂取する上でとくに不可欠な「三大栄養素」が、たんぱく質・脂質・炭水化物。それぞれの摂取カロリーの比率をPFCバランスといいます。

PFCバランスとは

近世では米の生産量である「石高」が財力を示していたように、日本では昔から米は特別な存在でした。食文化においても米は主食(日常の食事の中心となる食物)であり、おかずは副食(主食に添えて食べるもの)というように、米(ごはん)を中心にした食生活を送ってきました。京都ではおかずのことを「おまわり」と呼びますが、これはごはんが食事の中心であり、おかずはごはんの周りにあることを意味しています。

現代では、麺やパンなど、ごはんに代わる多くの選択肢がありますが、古くから日本にあった「ごはんを主にして、おかずを副とする」という定食の構成は、美味しさ、メニュー構成の豊かさ、健康的な栄養バランスなど、毎日の食事スタイルとして、とても理にかなったものと言えます。

定食と栄養バランス

健康的な食事を考えるときに大切なのは、栄養のバランスです。
三大栄養素であるたんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)のエネルギーバランス(PFCバランス)が、「たんぱく質13〜20%、脂質20〜30%、炭水化物50〜65%」となるのが理想と言われますが、ごはん、汁、主菜に魚介類や肉類、副菜に野菜、海藻、豆類などのおかずを組み合わせる定食は、栄養的にも、味、彩りの面から見ても、理想の栄養バランスを実現しやすい食事と言われています。また、定食の中に並ぶごはんとおかずの量のバランスを考えることで、脂質やたんぱく質の取り過ぎを防ぐことも出来ます。

栄養が偏りがちな現代の食事において、栄養バランスのとりやすさは、定食の大きな魅力と言えるでしょう。

世界のPFCバランス

日本におけるPFCバランスは、ご飯と汁におかずを組み合わせる定食型食事が多いため、欧米のように脂質を取りすぎたり、炭水化物の摂取量が不足することなく、目標とされる均等なバランスを保っています。

 

おいしくいただく、定食の食べ方

西洋のコース料理と異なり、ごはん、汁、漬け物、おかずのすべてが同時に並ぶ定食は、慣れていないと食べる順番に迷うことがあるかもしれません。でも心配はいりません。実は定食には美味しくいただくヒントがあるのです。それは「ごはんを食べて、汁をいただき、ごはんに戻り、次はおかずを食べて、またごはんに戻る」というごはん中心の食べ方です。
日本独自といわれるこうした食べ方には、次のような長所があります。
  • タンパク質や脂質の食べ過ぎを防ぐため、栄養が偏らずバランスが良くなる
  • 味の濃いおかずにはごはんを多く、味の薄いおかずにはごはんを少なく食べるなど、 ごはんで自分好みの味に調整することができる
  • おかずの後にごはんに戻る事で口のなかがリフレッシュされ、次の料理をおいしく食べることができる
どんなものとも合うシンプルな味わいのごはんと一緒に食べることで、最後まで飽きずにおいしく食事を楽しむことができます。