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小さな箱にこゝろを詰めて

弁当をつくる

弁当がひとつの食文化として現在に受け継がれ、その魅力が海外に広がるまでに至ったルーツ。それは美味しさはもちろん、彩りの美しさにもこだわり、食べる人を想って、フタを空けた時の顔を思い浮かべながら、"こゝろ"を込めて詰める弁当文化が大成した400年前にあるのではないでしょうか?

そこで400年前の料理書や当時の弁当レシピ、弁当をつくるうえで役立つアイデア集をご紹介します。現代のお弁当づくりにも応用できそうなものが、多数登場している部分にも注目です。

料理書の紹介「料理早指南」について

初編より4編に至る4冊の料理本。
特に二編は、四季や行事にあわせた重箱料理、弁当の紹介など非常に興味深い内容の料理本。

著者は醍醐山人

発行は初編1801年

《料理早指南》醍醐山人著
東京家政学院大学図書館 大江文庫所蔵

江戸時代は、料理文化がひじょうに華やかに花開いた時代です。料理に関する多くの指南書や案内本も数多く出版され、醍醐山人による全四編から成る「料理早指南」も料理書のひとつです。享和元年(1801年)に初編が発刊され、一編一冊づつ、順次刊行されました。

初編には本膳・会席・精進料理について、二編には「時節見舞の重詰」「華見の重詰」などの弁当に関する重箱料理などについて書かれています。さらに三編には塩物魚、干し魚類の調理法と黄檗料理・卓袱料理について、四編は汁物、酢の物などの各料理方法についてそれぞれ書かれています。

料理書「料理早指南」

  • 「旅迎の重詰」・・・
    階級の高い方用「上の部」から「中の部」「下の部」と3種別に「初重」「二重」「三重」「四重」の4段それぞれの内容が説明されています。
  • 料理の調理法だけでなく、使用する料理道具についても説明されています。

弁当箱・重箱

弁当箱という容器が生まれたのは安土桃山時代とされますが、弁当が広く行きわたるのは江戸時代になってからで、重箱や中に仕切りのある折り詰めのような弁当箱も登場します。花見・舟遊び・雛祭りなど色々なイベントに、弁当として料理を携帯し食を楽しむようになりました。

重箱は、携帯する上で軽く、また除菌効果がある漆器を使うことが一般で、外観の美しさは図をみても伺えます。基本、おかずを重に詰め、ごはんは別の容器に用意されていたようです。

「料理早指南」が伝える盛り付け方

「料理早指南」では、重への詰め方についても説明しています。

五種盛り
五種盛り
五種盛り

しいたけ煮
れんこん煮
卵焼き
えび姿煮
里芋六方煮

七種盛り
七種盛り
七種盛り

えび姿煮
こんにゃく煮
れんこん煮
卵焼き
紅白かまぼこ
黒 豆
里芋六方煮

「料理早指南」によると、「となりあうもの同士の味付け、そして切形が同じようにならないよう気をつけることが大切です。とはいえらちもなくいろいろな形を組み合わせるのは、まとまりが無くなり散漫になるので止めましょう。はじめから重のサイズを考慮し詰め方の割りを工面したうえで切り方、大きさを決めると、詰めたときに不要な隙間を生じさせずにすみます。
形の安定したものを先に詰め、あとから座りの悪いものをもたれかけさせると上手に詰められます。また重の多くは内面が朱塗りとなることが多いので、赤い色合いの品はなるべく重の中心に置き、朱塗りの色と重ならないように気をつけます。」とあります。

見た目、色合いにも非常に気を配るのが日本料理の特徴ですが、いかに美しく詰めるかは当時から重要なポイントだったようです。